古物商の許可申請をする際、営業所には管理者をひとり置かなければなりません。
「営業所の管理者って、なるのに何か資格は必要なんでしょうか」
「わたしは個人事業主なんだけど、管理者は自分で良いんだよね」
「法人で複数店舗を経営しているんだけど、新規採用が必要かなぁ」
この記事は、そんな疑問をお持ちの方に向けて書いています。
目次
1. 営業所の管理者とは何か
営業所の管理者は、古物取引に関する業務の監督を行う責任者のことです。
「古物商の許可」は、盗品が売買されて流通することを防ぐためにつくられた制度です。
そのため、営業所の管理者は以下のような役割をにないます。
- 古物の買い取りの際に不正品でないかを判断する
- 従業員が不正品を売買しないよう指導・監督する
2. 営業所の管理者の選び方
営業所の管理者は、各営業所ごとに専任で選ぶ必要があります。
代表者や役員が営業所の管理者になることはできますが、複数の営業所の管理者になることは原則できません。
一般的なリサイクルショップであれば、業務に携わる店長などが管理者を務めます。
自宅を営業所として届け出る個人事業主の場合、通常は事業主本人が営業所の管理者となります。
営業所の管理者には、以下の2つの条件に当てはまる自社の役員や従業員であれば、役職などを問わず誰でもなることが出来ます。
- 営業所に常勤できること
- 未成年や古物商の許可を受けられない条件に該当しないこと
実務経験や特別な資格は、必要ありません。
ただし、一部の商材を取り扱う場合は、実務経験不足を補うために講習を受講しているか等を、窓口で問われる可能性があります。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
(1) 営業所に常勤できること
営業所の管理者は、常勤性が求められるため、営業所に通勤できる距離に住んでいる必要があります。
明確な基準はありませんが、片道2時間以上かかるようであると、本当に常勤するのかどうかを疑われやすくなります。
実際に遠方に住んでいる方が常勤する予定である場合は、ETCカードの履歴や通勤定期券などで常勤の事実を示すこととなります。
(2) 未成年や古物商の許可を受けられない条件に該当しないこと
未成年者や、古物商の許可の欠格要件に該当する方は営業所の管理者になることができません。
古物商の許可の欠格要件
- 破産手続きの開始の決定を受けて復権を得ない方
- 犯罪歴のある方
- 暴力団関係者
- 過去に古物営業法違反で許可を取り消されたことがある方
- 住居の定まらない方
- 心身の故障により古物商の業務を適正に実施することが出来ない方
- 未成年者
不安なモノがある場合は、詳しい条件や対策方法をこちらの記事でまとめておりますので、ご覧ください。

(3) 知識や経験について
前述のとおり、営業所の管理者になるために、実務経験や特別な資格は必要ありません。
しかし、古物営業法には、営業所の管理者に必要な知識や技術、経験を求めているようなルールが定められています。
これは、申請上気にしなくて良いのでしょうか。
古物商又は古物市場主は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならない。
結論として、必要なスキルを管理者の過去の経歴などから証明できなくても、問題となりません。
管理者に必要な知識や経験、技術を身につけさせることは、あくまで努力義務とされており、許可審査の要件とはされていないからです。
ただし、自動車、自動二輪車・原付、時計・宝飾品、美術品などを取り扱う場合は、管理者が必要なスキルを備えているかを警察署の担当者から質問をされる可能性が高いです。
これらの商材は、特に高度な専門知識が必要となるからです。
自動車、自動二輪車・原付であれば、中古自動車やバイクを扱う業務に3年以上従事した経験が目安とされています。
警察署の担当者から質問を受けて、上手く答えられないと、「別の方を管理者にしてください」と言われて、申請を受け付けて貰えないことも考えられます。
実務経験の不足がある場合の対処方法
仮に実務経験がなかったとしても、研修等の受講によって実務経験を補うことが出来ます。
自動車であれば、一般財団法人 日本自動車査定協会などで、自動車査定の講習会が催されております。
また、美術品や時計・宝飾品に関しても、専門家によるセミナーが催されています。
実務経験がない場合は、窓口では講習会の受講予定や受講履歴等について答えられるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
営業所の管理者は、営業所ごとに専任で置く必要があります。
営業所に常勤できること、未成年や破産・犯罪歴等の欠格要件に該当しないことの2つの条件を満たせば、誰でもなれます。
自動車、自動二輪車・原付、美術品、時計・宝石などの一部の商材を扱う場合で、実務経験に不足がある場合は、講習などを受けて知識・経験不足を補うようにしましょう。
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