2025年10月22日付で、メルカリ利用規約が改定されました。今回の改定では、事業者による利用を原則禁止する条項が新設され、大きな注目を集めています。副業や古物商ビジネスでメルカリを利用してきた方にとっては、今後の活動方針を考える重要な分岐点となるでしょう。新設された条項の内容3.事業者による登録の禁止(新設) 弊社が指定した法人以外の事業者はユーザー登録及び本サービスの利用はできないものとします。当該事業者はメルカリShops加盟店規約へ同意の上、メルカリShopsの登録の申し込みを行ってください。これまでメルカリは「事業者利用を想定していない」としつつも明確に禁止する姿勢ではなく、サポート窓口も明言を避ける対応をしていました。しかし今回の改定で、ラクマやYahoo!フリマと同様に「事業者による利用は禁止」と明文化されました。これにより、事業としてメルカリを利用している人は規約違反となり、場合によってはアカウント停止などの対応を受ける可能性があると考えられます。実際に停止措置がどの程度行われるかは不透明であり、今後の運用次第といえるでしょう。公式発表はこちら:https://jp.mercari.com/notifications/news/7331930562103345152?srsltid=AfmBOoofb23u03CAZ5guQKvqKI7DtEuipRtuH63ilvvyFCjv6m_LyJrtこの記事では、今後の対応方針を考えるための参考情報として、各社フリマサイトの規約や警察署動向を事実に基づいて解説してまいります。1. 各フリマサイトの規約比較主要なフリマサービスにおける事業者利用の規約は以下の通りです:ヤフオクヤフオクは、消費税の納税義務を行わない方の利用資格を認めています。これは裏を返せば、一定の範囲で事業者による利用も公式に認めていると解釈することが出来ます。ここでいう「消費税の納税義務を負わない方」という表現は分かりにくいかもしれませんので補足すると、前々事業年度の売上高が1,000万円を超えた事業者は課税事業者となり、消費税の納税義務を負います。逆に1,000万円未満であれば免税事業者として消費税の納税義務がなく、この範囲であればヤフオクの個人出品枠を利用できるという仕組みです。そして、事業が成長して課税事業者になった場合は、規約に記載の通り「ヤフオクストア」へアカウント形態を変更することが求められます。A. 出品に必要な利用資格 本サービスに商品等の情報を掲載(以下「出品」といい、出品するお客様を「出品者」といいます)するには、以下の条件を全て満たしていることが必要です。 (イ) 消費税の納税義務を負わない方であること(ただし、消費税相当額を徴収する免税事業者を除きます)消費税の納税義務を負う事業者および消費税相当額を徴収する免税事業者は、当社とオークションストア利用約款に基づきオークションストア利用契約を締結し、ストア出店者として出品してください。https://auctions.yahoo.co.jp/special/html/guidelines.htmlラクマラクマは利用規約上、明確に事業者の利用を禁止しています。カスタマーサポートチームへ問い合わせをした場合も「事業者利用は原則禁止」と明言されています。第3条(ラクマ会員登録) 2. 当社は、ラクマ会員登録を行う者又はその者による登録申請が以下各号のいずれかに該当する場合、当該登録申請を承認しないことがあります。 ③ ラクマ会員登録を行う者が、事業者として商品を売買するために本サービスを利用しようとしていると当社が合理的に判断する場合https://fril.jp/info/policy?srsltid=AfmBOorNT-YAQGtIrbWp_PyWEFi2IaQCXCsSX6UmkSz5p0XEKkmB4S2gYahoo!フリマYahoo!フリマも同様に「事業者は利用できない」と明記。古物商に関わる出品を希望する場合はYahoo!オークションストアを利用するよう案内しています。A. 出品に必要な利用資格本サービスに商品の情報を掲載(以下、「出品」といい、出品するお客様を「出品者」といいます)するには、以下の条件を全て満たしていることが必要です。事業者ではないこと(事業者は、Yahoo!ショッピングまたはYahoo!オークションにおいて、当社とストア利用契約を締結し、ストア出店者として出品してください)https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/guide/guideline/メルカリこれまでは「事業者利用は想定していない」としながらも、禁止とまでは明言していませんでした。今回の規約改定により、ラクマやYahoo!フリマと同様に事業利用禁止を明確化した点が大きな変化です。2. 利用規約の法的効力とリスク利用規約は民間ルールであり、強制力や刑事罰があるわけではありません。しかし、利用規約違反状態で取引を行うことは、以下のリスクがあります:アカウント停止・削除リスク売上機会の消失リスク実際には、以前から事業利用が禁止されている「ラクマ」や「Yahoo!フリマ」において、事業者による出品は広く行われており、一部黙認されているとも見受けられます。しかしながら、規約を根拠として突然停止されるリスクが常にあるということは留意が必要です。これまで蓄積したレビューや実績などが無くなってしまうリスクを想定すると、規約順守を前提とした公式ストアや他販路を確保する対策も検討することがオススメです。3. 警察署のスタンスと古物商許可について古物商の許可制度では「販売に利用するURL」を警察署に届出をし、公安委員会のホームページへ登録することが求められています。これまで、利用規約上事業利用が禁止されているプラットフォームについても、多くの都道府県で警察署は届出を受理してきました。これは利用規約が、行政法規ではなく、強制力がないためです。今回のメルカリの利用規約変更は、いままで曖昧であったメルカリの位置づけが、ラクマやYahoo!フリマと同等になったという意味においては、特に警察署業務においてインパクトはないように思われます。しかしながら、今回のメルカリ規約改定は警察本部レベルでも注目されており、規約改定以後すでに複数の都道府県警察本部より当社宛てに問合せが入っております。今回のニュースをきっかけに、古物商許可審査における取扱いの見直しが図られる可能性もあると考え、当社では特別の調査体制を設けて、警察署本部の見解確認を進めております。当社サービス「ショシナビ古物商」をご利用いただいて古物商の許可手続きを進めていただいているお客様には、最新の情報に即して申請手続きをサポートさせていただきます。4. メルカリ ブランド審査厳格化の動向について2025年8月4日、メルカリは 「メルカリShops 出店者向けブランド審査体制の強化」 を公式に通知しており、新たな動きとして注目されます。同社指定ブランドに関しては、事業者が出品を希望する際、ショップ管理画面から ブランド審査を受けること が必須とされています(出典:メルカリShops サポートガイド「ブランド審査の手順」)。該当する 指定ブランド(10ブランド) は以下の通りです:アルマーニ(ARMANI)ヴァンクリーフアンドアーペル(Van Cleef & Arpels)エルメス(HERMES)グッチ(GUCCI)コーチ(COACH)ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)シャネル(CHANEL)ナイキ(NIKE)プラダ(PRADA)ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)この体制強化は、プラットフォーム上で 規定外・偽造品の流通を抑制し、信頼性を向上させること を目的としていると考えられます。ブランド審査の申請手続きでは、新品ルート(一次流通)/中古ルート(二次流通) の区分を明示し、仕入れ伝票(請求書・納品書・INVOICE 等) の提出が求められます。他プラットフォームとの比較と審査動向他の主要プラットフォームをみると、ブランド品流通に対する制約がすでに顕著です。Amazon:バッグカテゴリでは中古品の出品は原則できず、正規流通ルートを示すインボイス等の提出が求められるなど、実質的に新品中心の政策がとられています。Yahoo!ショッピング/楽天市場:古物商許可証の提出は基本要件であり、さらに 真贋管理体制を証明する書類(例えば、鑑定セミナー受講証明、社内真贋フローやマニュアルの提示等)が審査時に求められるケースが報告されています。これにより、単なる「中古ブランド品取り扱い希望」だけでは十分でなく、真贋性を裏付ける体制が重視される傾向です。このような他社の取組みと並行して、「メルカリShops」も ブランド品の流通管理/リスク制御の強化 に舵を切っていると見るのが妥当でしょう。フリマアプリ メルカリへの波及とリスク現在のところ、メルカリ(個人出品用アプリ)には 事前のブランド審査制度 は導入されていません。ただし、ブランド審査強化をメルカリShops側で明示したこと、および 2025年10月22日の事業者利用規約改訂(事業的な出品を制限する方向)を鑑みると、指定ブランド品を 事業的なスケールで継続出品する個人ユーザー は、将来的に 警告・アカウント停止の対象 となる可能性についても注意しておくべきでしょう。5. メルカリShopsへの移行の現実的アプローチ今回の規約改定をきっかけに「メルカリShops」への移行を希望される方も多くいらっしゃるかと思います。しかしながら、25年9月現在、メルカリShopsは新規アカウント開設の基準を厳しく設定しており、実質的に個人の新規開業者の方はアカウント開設をすることが出来ない状況です。具体的には以下の条件を必須とされています:青色申告決算書確定申告提出済み書類他販路(ヤフオク、Amazon等)の実績開業届を出しただけでは足りず、1期以上の確定申告実績や、他のECサイトや実店舗での販売実績が求められます。フリーランス活動の青色申告だけでは審査に通らないケースも確認されています。これから新規に古物商の事業に取り組まれる方が「メルカリShops」のアカウントを開設するためには、以下のようなステップを取る必要があります。年内にやるべきこと:古物商の許可取得開業届・青色申告の届出ヤフオクやAmazonなど他販路で販売実績を作る来年以降にやるべきこと:確定申告の実施メルカリShopsの新規審査申し込みこうしたステップを踏むことで、2026年春にはメルカリShopsでの出店が現実味を帯びてきます。6. ショシナビ古物商のサポートショシナビ古物商は、古物商に特化したサービスを展開しており、毎月60~100件の事業者様の古物商許可申請をサポートさせていただいております。日本全国の警察署と日々に調整業務を行っているからこそ、このような変化が発生している際にも安全でスムーズな許可申請を実現できる体制が実現できています。また、2025年冬から「古物商スタートアップセミナー」というWEB勉強会を、当社のお客様向けに定期開催していくことを決定いたしました。このセミナーの中で、古物商の許可取得に必要となる法律知識だけでなく、開業届や会計記帳の基礎など、これから事業をはじめるのに必要な知識を講義形式でまとめてご案内させていただく予定です。古物商になると使えるようになる業者専用の「古物市場」や「真贋査定講習会」などの事業に役立つヒントもご案内予定です。こうしたサポート体制も活用しながら、ご準備をはじめていただくことで、来春には「メルカリShops」のアカウントを備えてライバルに差をつけていただくことも可能です。是非、ショシナビ古物商を利用して、古物商の許可取得を進めていただければ幸いです。